二松学舎大への行き帰りで読んだもの。
阿辻哲次『近くて遠い中国語―日本人のカンちがい』(中公新書、2007)
漢字の専門家ではあるが、中国語教育にも深く携わっている阿辻先生が、中国語について、日本語とはこれだけ違うんだ、と解説した新書。横書き。
第1章「大学の中国語」は大学における中国語教育及び中国語選択者の現状。
第2章「中国語はどのような言語か」と第3章「簡体字と繁体字」は現代中国語の概説。
第4章「中国人と筆談は可能か」、第5章「中国語の発音について」、第6章「中国語は「見たらわかる」か?―『人民日報』を読んでみる」は、日本語と中国語の違いについての解説。
さすがに、中国語教師のはしくれとしては、知っていることばかりなので、新鮮味にはかける。中国語を勉強してみたい、あるいは中国語を勉強し始めた人に、面白く読みやすい中国語ガイドにはなっていると思う。
p.32ページにイラスト付きで説かれているように、中国語はフランス語やドイツ語と違って、入門時はやさしいが、いつまでたってもゴールが見えてこない言語だというのには大いに共感する。でも、そのどうして、ゴールが見えてこないのか、またゴールが見えてこなくても、その中で一歩一歩中国語を学んでいく楽しさまで解説してもらいたかった。
そうしないと、大学の第二外語の中国語選択者は、中国語って、日本語とは違うんだねーというだけで終わってしまい、中国語の奥深さ・魅力を感じてくれないのではないだろうか。
私は、大学1年生の後期に選択授業で丸尾常喜先生の魯迅「社戯(村芝居)」を読む授業をとって、虚詞を中心とした中国語の表現の奥行きに感動した。
実用的な(って多分大学の第二外語でそれは無理なんだけれど)外国語を学ばせるだけなのではなく、大学なのだからこそ、外国語を学ぶことによって、得る「教養」というものがもっと作れないかな、と教える側になって日々悩んでいる。
最近のコメント